5-リポキシゲナーゼ

アラキドン酸5-リポキシゲナーゼは気管支ぜんそくの引き金

アラキドン酸5-リポキシゲナーゼは肥満細胞を含む白血球で生成されますが、その過程には白血球に含まれている好酸球や好中球、単球やマクロファージが関係しています。
結論を先に言いますと、具体的には気管支喘息を引き起こしたり、白血球の機能を活性化します。

ここで復習すると、アラキドン酸5-リポキシゲナーゼは人体に必要不可欠なアラキドン酸代謝酵素の一つです。
この物質に5-リポキシゲナーゼと言う酵素が反応すると、5-HPETEという物質ができ、さらに この5-HPETEからLTと呼ばれる物質ができます。
LTとCOXの作用で発生するのがPG群とTXで、これらの総称はエイコン0サイドと呼ばれます。
LTは3種類ありますが、そのいずれもが気管支や血管さらには消化器官である胃や腸で緩慢な収縮運動をおこなっています。

この収縮運動はゆるやかですが、特に気管支での収縮運動はほかの収縮運動に比して活発で、それが原因でかなり激しい気管支喘息などを引き起こすことがあります。
ただしこれらの収縮運動はヒスタミンが原因になることもあるとされています。

またこれとは別に、この物質はそもそも白血球から生成されているので、本能的に白血球機能を活性化する機能を持っています。
ちなみにアラキドン酸はリノール酸に多く含まれていますから、普段からリノール酸を過剰に摂取している人、すなわち動物性脂肪と高カロリーの食生活を続けている人に、気管支ぜんそくの諸症状を誘発する要因になります。

すなわちアラキドン酸自体は人体に必要不可欠な物質ですが、それにふくまれている5-リポキシゲナーゼの過剰摂取は気管支ぜんそくを引き起こすリスクが大いにあるのです。

以上のようにアラキドン酸5-リポキシゲナーゼ自体は適切な摂取量であれば人体に効果的ですが、過剰に摂取すると一転して気管支ぜんそくなどを引き起こす要因になるようです。
したがって脂肪分が多い肉類はほどほどに食べるほうが身体には良いようです。
何事も腹八分が良いと、昔から言われています。